港区 白金高輪の心療内科・精神科|白金メンタルクリニックの一言日記

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一言日記 心の医者が読み解く今日の世相

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一言日記~ 心の医者が読み解く今日の世相 ~

(2014年9月6日 07:16)あるお巡りさんの姿から

あるお巡りさんの記憶がよみがえって

昨日無事に帰国。湿度が高く中途半端な暑さに、去年の出来事が彷彿された。ちょうどこの様な気候だったと思います。まだ22~23歳だろうか一人の若いお巡りさんが交差点の真ん中にたって交通整理をしていました。観光地湘南には珍しい光景だな~と思いつつ付近を見上げると信号機の故障が原因。交通量はとてつもなく多く、修理が駆けつけるまでの対応。それが彼の仕事でした。

見ると顔から首筋から玉の様な汗。服は水を被った様にベタベタです。それを見た私の脳裏によぎったのは熱中症昏倒。私は眼の前にあったコンビ二で経口補水とばかり、とりあえずポカリを買ってお巡りさんに手渡しました。彼は懇切に謝意を述べながらも何度も固辞し、結局は買った私が彼の眼をはばみ飲む形になってしまった。人の為ものを、人目を忍んで自分が飲む。言いようのない惨めさを感じた。うまく表現できないが、忘れていた子供の頃の思い出が湧き上がってきました。
昔、小学校のころ自転車で巡回中の駐在さんが家に立ち寄った。母親が冷たく冷やした麦茶を差し出し談笑していた光景を思い出しました。このような危機的状況にも係らず、任務を前に喉を潤すこともできないの?子供のころ、ちょうど家の斜め前が駐在さんの家だったので自分も上げてもらい、確かそこの奥さんがスイカを出してくれた。そんな記憶、今でも残っています。よく勉強してね。そうでないと、うちのお父ちゃんみたいに、毎日自転車で町を回る仕事になるよ。大変だよ。そんな話を聞かされました。
父に話すと、豪快奔放な父らしく一言。あのな~知っているか。昔から間男は(旦那の留守の間に上がりこんで来る人)医者と坊主と警察官。。。今あらゆる職場でコンプライアンスと称し綱紀粛正が厳格に行われています。父の言葉も当たらずも百歩でしょう。

しかし、大人になって医療に立つ身になって、汗でベタベタになったお巡りさんにポカリを渡す。何故其れでお巡りさんが責められるのか?気が抜けて事故を誘発するなら少しは理解できる。ただ、前後の状況も省みず勤務中に飲み物飲んでいると通報する人がいるから、組織として綱紀引き締めをしなければいけない?何かおかしくなっている。通報するなとはいわない。若し通報するなら、一人だと大変だから、すぐ応援出してあげてと通報してあげて欲しい。もう、そんな人はいなくなってしまったのか?たった一口でも飲むことが責められることなのか?

予想は的中しました。私が車に戻って発進させようとした瞬間、そのお巡りさん足から崩れるように其の場に倒れました。場所柄サーフアーや野次馬が車を止めて集まってきたので、危ないと感じた私は助手席にいた同僚と一緒に駆け寄り、帯革からけん銃と手錠を奪われないよう、これを外して預かり、直ぐにクーラーの効いているワゴン車に乗せてロック、応急処置と救急要請でコンビネートをはかりました。程なく意識を取り戻したとほぼ同時でしょうか。救急隊と応援警察官が到着。預かり品を引き継ぎ、ご本人は病院搬送。おかげで水泳はお流れでしたが、一瞬の判断が事態の拡大化を阻止、むしろ治療と環境への心理誘導をはかり、事態を円満に治めたと自己評価。悔いはありません。警察の幹部の方が挨拶にこられました。部下がご迷惑をかけてと言われるので、炎天下40℃以上になる場所であることは例年の如くであり最初から予見できた筈。当然、当時のデジタル信号機は始まったばかりで、ただでさえ熱に弱い。このような環境にあって彼は一心不乱に車をさばいていた。その精神力こそ表彰ものでしょう。どうぞ、この若いお巡りさんを責めないで欲しいとお願いし快く了承を得られました。今の社会、管理する側も管理を受ける側も、クレームを前に戦々恐々として仕事をしています。昔のように立ち寄り先で冷たい麦茶が許されない。一つ許すと、歯止めが効かないから??そうではありません。一つ許されたことに感謝ができない人が増えたからです。だから歯止めが効かなくなるというのが真実でしょう。苦しい時代になりました。

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