港区 白金高輪の心療内科・精神科|白金メンタルクリニックの一言日記

白金メンタルクリニック

一言日記 心の医者が読み解く今日の世相

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一言日記~ 心の医者が読み解く今日の世相 ~

(2017年6月1日 10:48)静かに耳を傾けて

         静かに耳を傾けてください。全てが見えてきます。お薬はそのための方便でしかありません

クリニックに相談に来られる方が日増しに増えてまいりました。
何か、メンタルに関わる病気でと思われがちですが、実は其の大半がメンタルに傾斜した疾患ではなく、むしろ、職場や親子、ご夫婦や恋人との生活にあって、些細なボタンの掛け違えから、どちらか一方が我慢を強いられる傾向が強くみてとれます。我慢は美徳と呼ばれる時代は過ぎ去ったとはいえ、やはり、風習が、貴方に負担をかけてきます。

 最初は、まあいいや。自分さえ黙っていれば。。皆の風をみなければ。。。いつかは穏便に過ぎていくだろう。。。相手もわかってくそんな貴方の善意は、やがて時間がたつにつれ、貴方の受容を超えるとき憤怒へと変化し、これ以上耐え切れなくなると、風船がはちきれるよーと、身体と心が同時に悲鳴をあげはじめます。胃が痛い!頭が重い!動悸がひどい!どこの病院にいっても結局原因がわからない。。。そうこうしているうちに、夜が眠れなくなる。あることを突然思い出してしまい、例えようのない怒りや悲しみに襲われ、ついつい、ご主人や奥さん、兄弟や子供にあたってしまう。外に出ると部下や同僚にまで。。。。そんな不安を覚える自分がある一方で、加嫌悪感までが追い討ちをかけてきます。反省をしようとして、誠実に向き合うと、却って嫌悪感にいじめられるのです。
 確かに、訴える症状だけをみれば心因性反応でしょう。しかし、静かに考えてみると、これらは全て、何らかの原因あっておきる人の本態生理です。其れゆえに、私たちは、このようなご相談に接しても、メンタル症状だけに絞ってお話を聞くことはしません。
よく、ネットや専門書をみると、うつとは。。双極性とはとばかり、非常に理路整然と書かれ、一読に値するでしょう。しかし、心の波は、どうしても避けては通れない。何か無理にでも我慢しなければならないといったことの繰り返し故ではないですか?それは逃げることができなかったのですか?社会全体を見渡してみると、みんながこうしているから、うちの家はこうだから。会社としてはetc。全ては貴方に妥協を迫り、貴方の主張を奪い、貴方は仲良くするために、長い間、調和という言葉に迎合してきたのではないですか?和を乱す必要はありません。むしろ、貴方の訴える声が、支配されて、我慢の毎日に生きて来たのではないですか?最近、突然意味もなく切れて凶行に及ぶ報道が肩上がりをみせています。人はガス抜きができないと爆発します。それを社会は異常といい、なぜという追及はおざなりです。私たちは、もうメンタルクリニックの時代は過ぎ去ったと考えています。病理学的疾病のみならず、様々なお困りごとを抱えられた方がご相談に訪れます。メンタルからソーシャルクリニックへと変貌しつつあるといっても過言ではありません。昔は、博識で物分りのよい、お寺の住職さんや、学校の先生。神主さん、はたまた近くの煙草屋のお婆さんに素晴らしいヒントをもらったこともありました。今は、そのようなご相談のお役目も、私たちの取り組みへと大きな変化を余儀なくされています。寝れないから、睡眠導入剤を、不安が強いから抗不安剤を。確かに、それは正確な選択です。しかし、私たちには、もうひとつの選択も準備しています。お薬は、時間と共に効き目が薄れていきますが、貴方の苦しみは薄れません。だから、飲み続けるのですか?
肝臓や他の臓器に影響はないかとばかり、採血検査をしながら飲みつづけるのですか?私たちには一つの夢があります。まずは、必要に応じてお薬で鎮めましょう。すると、お薬の効果も手伝って、聞く耳がもどってきます。また、状況をうまく整理して説明ができる自分が戻ってきます。そこで、精神心理や臨床心理を駆使して、なにが発端になったのかといった根源的な原因を探し、其の問題の解消に向け、様々なご相談や、ご提案を申し上げることで、徐々に方向性を見出していってもらいます。俗にいう、カウンセリングやセラピーとは本質的に異なり、明確な解答をだしていくことを本当の目的としています。
お薬は、やはり身体に悪いです。だから、できるだけ早く離れていただくためにも、お困りの根源を探す努力だけは怠りません。

 然し、残念なこともあります。いくらアドバイスしても、その人の環境が許してくれないときがあります。極端なことを言えば、会社を辞めたら、症状は治まるのに。苦悩の相手から離れたらよいと思っても、それは不可能な場合が大半です。そのような場合には、已む無くご本人の同意を得た上で、私たちは、司法の助けを求める場合もあります。

 また、直接、当事者の方とご面談をしては、ご理解を求めるよう働きかけることもございます。必ずどこかに道はあるはずと信じ、あらゆる手を尽くします。それでも、不可能に面したり、却って、それでお叱りを受けたりするときも多々あります。さて、もし皆さんがお叱りをうけたらどうされますか?パワハラだ。横暴だと思うのは簡単です。そこで、まずは、相手の話を静かに聴いてみましょう。無理難題な要求以外、決して反論してはいけません。

はい、はいの合槌もよくありません。ただ、ただ、静かに聴き、決して相手の怒りに反論したり、また理解し、斟酌しようとしてはいけません。それで得るものは、その場の解決でしかないからです。静かに聞いて、その声の中に、声なき声を求める。これには一定の練習が必要です。隠されたもう一つの声が聞こえてきたら、貴方は、もう怒らなくなるでしょう。そして、次の方法を見出すために、今以上に冷静な貴方に立ち返っているはずです。電車に乗るのが怖い相談にこられた方もいました。注射の針が怖いと相談にこられた方もいました。死にたいと相談にこられた方もいました。冷静な耳を取り戻したとき、すべては、あたかも幻のように消え去るのでは、そう信じて已みません。日本にソーシャルクリニックという医科標榜はありません。もし、それが将来認められるとしたら、私たちはソーシャルクリニックのさきがけとなるでしょう

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